なぜ鏡は後ろのものが見えるのか?
あたり前ですが鏡に映せば後ろのものが見えます。このことを光の反射の知識を使って考えてみましょう。まずはなぜ後ろが見えないのかということから考えます。下の図からも分かるように、後ろから出た光が目に入ってこないから見えないのです。光はふつう直進するので、目が後ろについてでもいない限り、後ろのものは見えません。

ところが、自分の前に鏡を置くことで、後ろから来た光が反射して目に届き、後ろのものが見えるというわけです。

鏡に映ったものの位置
鏡に映ったものを「像」といいますが、この像がどのように見えるかを考えてみましょう。まず光の進むみちすじを正確に描くためには、反射の法則より入射角=反射角となるように描く必要があります。

入射角=反射角を正確に描くためには、少々コツがいります。それを下に説明していきます。
【像の作図と光のみちすじ】
まず光が出る点Aの鏡に対する対称点A´(エーダッシュと読む)を描きます。対称点とは鏡について点Aと真反対というふうに理解してください。像はA´に映ります。

次に対称点A´と光が届く点Bを結びます。

最後に2で結んだ線と鏡の交点Cと光が出る点Aを結びます。光は交点Cで反射しているので光のみちすじをなぞって、光の進む方向を矢印で示して完成です。

なお、光が目に入ってきた人の頭は光が反射して入ってきたと認識せず、まっすぐ光がきたと解釈するので、後ろの人が点A´の位置にいるように見えるのです。