圧力について
これまで、1点に力がかかっているとして考えてきましたが、実際は物体のある1点のみに力がかかっているわけではありません。重力などは物体のあらゆる部分にかかっています。ただ話を簡単にするために1点にのみ力がかかっていると考えていたのです。
もう少し現実に近いかたちで力を考えていくため、点にかかる力ではなく、面にかかる力を取り上げます。面にかかる力を表すために、圧力という考え方があるのです。
圧力とは、面積1uあたりにかかる力の大きさです。

なので、圧力は面かかっている力の大きさを力(N)をはたらいている面の面積(u)で割り算すれば求められます。例えば、物体の重さが60kgで10uにこの重さがのしかかっているとすると、60kg=60000gであり、100gの重さのものは1N(ニュートン)重力がかかっているとほぼ考えてよいので、結局600Nの力が10uの面にかかっていることになります。よって、600(N)÷10(u)=60(N/u)と圧力を計算できます。
注意してほしいのは、圧力を計算しなくても圧力の大きい、小さいを感覚的に答えられるようにしてください。例えば、同じ力で手のひらを押すなら、ピンで押すほうが面の平らなチョークで押すより痛いといった感覚です。これは同じ力がかかるのなら、圧力は押している面の面積が小さいほど圧力が大きいということです。計算式を丸覚えではなく、ちゃんと圧力の意味を理解しておいてください。

また、圧力の単位はPa(パスカル)というものを使ったりします。1Pa=1N/uです。ところでパスカルというのはどっかで聞いたことありませんか?天気予報で、「この低気圧は980ヘクトパスカル(hPa)です」といったコメントを言ってますよね。このヘクトパスカルの「パスカル」は正に圧力を表す単位です。また、ヘクトのほうは、補助単位といって、cmなどのc(センチ)と同じ種類のものです。ヘクトは100倍を表しています。つまり、100Pa=1hPaです。
特に、天気予報で言っている圧力は、その地域にある空気が上に乗っかっていることによって地上に与える圧力を表し、大気の圧力ということで「大気圧」といいます。大気圧の大きさは、「気圧」という単位でも表したりします。1気圧=1013hPaの関係です。
